秋の夜長の小話(だいこん編)/ably石井教室

近頃朝晩がめっきり冷え込んできました。
秋の夜長に、こんなお話はいかがですか235562.gif
私の大好きなお話を一つご紹介しますgurime_03.gif
先日M中の実力テストにも出題された、「徒然草」第68段です。
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【原文】
筑紫に、なにがしの押領使などいふやうなる者のありけるが、
土大根を万にいみじき薬とて、
朝ごとに二つづつ焼きて食ひける事、年久しくなりぬ。
或時、館の内に人もなかりける隙をはかりて、
敵襲ひ来りて、囲み攻めけるに、
館の内に兵二人出で来て、
命を惜しまず戦ひて、皆追い返してげり。
いと不思議に覚えて、
「日ごろここにものし給ふとも見ぬ人々の、かく戦ひし給ふは、いかなる人ぞ」
と問ひければ、
「年ごろ頼みて、朝な朝な召しつる土大根らに候ふ」
と言ひて、失せにけり。
深く信を致しぬれば、かかる徳もありけるにこそ。


【現代語訳】
筑紫の国に、‘なんとか押領使’などという者がいましたが、
大根を万能薬だと思い込んで
毎朝二きれずつ焼いて食べることが長年続きました。
そんなある時、邸の中に人がいなかった隙を突いて、
敵が襲撃してきて邸を取り囲んで攻めてきたところ、
邸の中に二人の勇士が現れて、
命を惜しまずに奮戦して敵をすべて追っ払ってしまいました。
とても不思議に思って
「普段ここにお見かけしない方々が、こうも戦いなさるのは、どのような方ですか」
と尋ねてみると、
「長年あなたが頼みにして毎朝お召し上がりになってきた大根どもでござるよ
といって消え失せてしまいました。
深く信じていたので、このような御利益もあったのでしょうね。

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どうです??
一つのことを信じ続けていれば、本当に良いことがあるかもしれません。
中学受験・高校受験を控えたみなさん、
来春の自分の姿を想像して、一生懸命頑張ってほしいものです。

ひらめきあ、ちなみにだいこんさんはすごく昔から世界各地で食べられていたそうで、
日本には大山古墳(大阪)で知られる仁徳天皇が食したそうなので
それよりも前に渡ってきたことがわかります。
(日本原産ではないのです)大根.png

大根は冬の野菜の代表格るんるん
おいしいものをお母さんに作ってもらって勉強に備えましょう

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